irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

2008

なんでもないこと

届いた荷物がテロである可能性、を少し思う まさかね ときどき庭へ遊びにくる雀がじつは作り物で象牙で出来ている、とか少し笑える冗談だからだ きみに祈るのは滑稽の正しさのみ孤独という文字に酔っているんだ こんなこと言うのも果たして淋しさのあらわれか…

ふたりなのに独りよがりな影は孤独の残像 石畳教会の坂ぼくらの果ては西へ連れられ 減速する光深海のように寂しがりやの音に酔いああまた落ちる坂を 西へはとおくこれより東はないらしい野犬が吠えている北まぜておくれ 苦しまないで死ねたらいい真夜中だれ…

ソーダの生命

僕ら水へもぐりゆく このままえいえんに太陽から隠れていたい すきと言ったらおわり すきと言ったら始まり目があって、なんとなく こそばゆいから反らしたとき うまれてはじめて自由を知る神さまのいない海 手をにぎって もうお互いに放さない もうお互いに…

二の腕に できた皰を押しつぶす うそだよ、おまえが つけた痣だ うすい呼吸を繰り返す ようにも見える刻印を呪いながら生きている確かに、ぼくには罪はなかった まるで蝋人形になった みたいなまいにち確かに、ぼくは死んでたほうが良かった