irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

創造的な人々に

彼らは絵本の中の子ども
教室から息切らして逃げてきた
シェパードの取り逃がしの二人

彼らは宇宙テキ時間感覚で
何百のイメージをていねいに摘みとる
花の影、目の横の皺、草の海
お日様を作るのさ、と笑った
化学実験は終わらない

彼らの料理は最高だ
けれど同じものは二度と頂けない
際どさが一層の調味料になる
一言持ち上げると二人のコックは上機嫌
「月のソテーが一番うまいさ」
月の兎も初耳だろうて

ときは四千X年から来た魂が
彼らにすっぽりはまっているから
わたしも魂の有るままに
自由に行けるような気がする

お日様が照らすのは
この星ばかりでない
届かないところに居ても
確かに見える子どもたち

 

初稿 2010年頃