irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

12

一本でもにんじんをもじり ひとつでも 乳房 と言う母のかなしき「空」という停車場の文字、青色で 青信号に見えて歩いたゆきゆきて進軍 君の態度からあのタイトルが連想されてこの国は恐ろしい国 震度5弱 一人死んでも大騒ぎしない人間の体温よりも低いのに…

11

三角の顔が揃って家々はみんな朝陽のほうを見るためいつまでもトキントキンのままの色 なんで白にもえんぴつがあるのコーヒーを少し残すの癖だねと君に言われてドキッとしたり生命の神秘を君に伝えなきゃ おたまじゃくしはカエルになるの一人でもいただきま…

10

前歯の裏磨き忘れた、と君が言う 洗ったっけと舌先でなぞる香水の量気にしてるまだ顔も見たことのない恋人のため今週はなるべく自炊をしようと思う だから新しい料理本を買うフランスパン二口の間に行っちゃった 赤い電車の残酷なこと気安めに赤チン塗ってる…

黒いひとつぶざわめきの中に形を無くすファッションこそ没個性蝙蝠たちの夜に埋もれる数学の文章題のA吉野弘の詩とともにわたしは追跡体験する「I was born」…。「――ほっそりした母の 胸の方まで 息苦しくふさいでいた白い僕の肉体――。」そうして生まれて時…