irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

2018-01-01から1年間の記事一覧

悪魔の仕事

しとしと雨の夜の中で顔を上げて雨粒の落ちてくるのを見ていた降るごとに冷えていくような風の無いしんとした空気の中イルミネーションに照らされて顔に届く前に細い粒が見える小さな小さな雨粒は皮膚を伝わずに頬に留まっている 握り締めたPHSが鳴るのを待…

意味

衝撃的な言葉ならもう持ち合わせていないと歩道に転がっていた鳩の首や猫の爪に抉られた眼球を見ても絶えず心は平和だとしたらしらみつぶしにストロングゼロで日常を麻痺させた結果ってことだ都会に氾濫する乱れたイメージで太古から続く楽園の湿ったイメー…

きれぎわ

たいようでてないとちょーしわるいねんじょーく に かおひきつるのもそうゆうことで ごめん

フランス語で歌を

アルコールで何か飛ばした腹をめぐり、水分は脳で留まって口寂しさ飲んでも飲んでも水分は失われて熱くなった身体の混乱した散歩で抒情的になったり して吐き出す前に何が欲しいかちゃんと言って人付き合いと将来へのタスクに追われていたらもう冬 来るだろ…

貧/愛

本日 支給されたわたしの給与明細は良いけれど私は貧しいニューヨークの奇異なエクササイズもインドの奥秘な呼吸法も感染を招きかねない皮膚の滋養注射もわたしはどれも投資していないけれど私は貧しい土曜は家の押入れを掃除し中の上の値段であったパンを焼…

地底

薄暗く雨の滴る高速道路に乗せ上げられた「元町三丁目まで降りられません」のアナウンス何もしたくないから何もしたくないプレイリスト両耳の内側でくぐもった音いま見てきた情報量の多い・桃色の唇とうるんだ瞳の女・木彫りの鯰・太く乱れた筆致の黒い十字…

貴婦人の慰み

昨日の日付でまだ歌っている昨日の歌声でまだ轟いている雀が鳴くような鈴が鳴るような高い音の果てに舵を切るだろう 待たずにいると 長い昨日の日付のノートは捨ててしまった突発的に寄せ上がる高波の不安も砕かれる防波堤で一日を過ごしていく努力で ふくら…

音楽

本屋に行っても心は晴れぬ文字は絵としても機能しているので情報が多過ぎる 何が私を癒すろうか明かり灯すように種々の音楽をわたしが電波に合わせれば流れ込んで 意識高い系の意識を ゆるめて皇室もイスラム諸国も政治スキャンダルもHonestyを聴きながらと…

丸太会談

間違いなく世界史的な標榜でもだまされたから また 欺瞞に思えるにぎやかなメディアはさまざまの問題を提示してコマーシャルはどれも 脅し 欲のない日々に少しずつ殺されるテレビをつまみに少し酔ってバーチャルな顔立ちの女優にため息をついて何度もだまさ…

ムカデ

歌っている一匹のムカデ一日のスピードに心は追いつかず意味を求めない空白を求めたい 頭の中這っていく一匹のムカデ酔って 音楽のその向こう語彙が広がるための語彙で感傷が海のように満ちるのを取り返せない流れの中で漂うことだれかと手を取り合うための…

複製/運動/質量/視覚

平板に白黒のプリントとても重くて動かすことは出来ない間違ってることなどないと堂々たる押出しでいつからそこにあったんだろう 回転する時間小部屋の中で 平板が回る時間を遡る触れていく方向は一つであっという間に腕が閉じた めまいがするような逆さの感…

独り善がり

よく研いで人を斬った後は自分も胸に深く突き立てるんだよ そうして 罪を償うこと誓いを立てること突き立てた包丁を静かに引き抜いて創口は見えないようにすること どうでもいい事を喋るなプライベートに干渉するな裏切るなら近付くな言えない言葉を言わない…

溝の前

不幸を沢山積んだ取り返しのつかない一人よがりの言葉を沢山浴びた 言えなかった言葉が堆肥になって心がぶくぶく肥ってそれが脅しの眼になって存在しない他人の声になって 不幸は積み上がって喉はすぼまってそちら側には行かない という決別がまた私の首を絞…

逆立ち

分かりあうための言葉でどんどん間違える自分の刺し傷を見せるつもりはないけれど不格好な逆立ちをするからそれは見て欲しいわたしは、と喋り始めたら少しは声になる伝えたい言葉をどんどん間違えてもわたしは、と喋り始めたら多少はやり直せる教科書的な問…

オータム・エッヂ

私が誓いを立てている間 君は歓談していたんだろうかそれを思うと報われぬ距離をはかる 君との距離をはかっている 言ってはいけないことというのを言った制限された時間で いつも巧みに喋るから私は圧倒されるだけ 距離ははからないどう転んでも 埋め合わせ…

私じゃない苦しみを見に行く

糸を漬けた水が腐っていくそれは銃でそれは祈りでそれは日々の暮らし 一人よがりには バチが当たるから綺麗でないイメージも 寄り添ってはくれないから 懺悔で私じゃない人の苦しみを見に行く遠くまで 思えるだけ 遠くまで あったはずの食事とか紙とペンとか…

ぽっち

音に惑わされて気付かないうちにはぐれた暗く湿った夜の森で一人しょわ しょわ しょわ しょわ足もとの腐った葉を踏む 都会の灯りでは影が無かった枝の隙間から枝の隙間からこぼれてくるそれでも影は無いまっとう まっとう まっとう まっとう熊が私を食べにく…

星座の具合

連絡網は ある 弓はいつも 引いている集中 集中 週末のシミュレイション レクリエイション欠けていく月のドラマ は 語らずしていい具合で縛られた 二十四時間 の 使い方 六分割弓は常に引いて ギリギリで 考え事は 禁止星座の具合で すれ違っても 自己主張は…

腐っていく / image

写真の中の生卵は腐らないし黄金の炒飯にもならない音のない世界で 言語の核は強い光を放ついつもそれを食べたいと思っているいつもそれを食べたいと思っている事象に逆らって 嘘をつくなという教えはあってもいいが騙しても良いと教えられたか 四角く切り取…