irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

2021

オズの国

両性具有の股の間で飛行船になる夢を見た冬には雪が降り夏には嵐が来るように概念と固有の印象が一致するそんな名前を未来につけた 毎日、嘘のように塗り替えてあっという間だきっと子どもが大きくなれば今よりもっと優しく珈琲を淹れるだろうしっとりと重い…

追悼

寒々しい病室を抜けて小さな棺を抱えた春君はてんで変わってしまって過呼吸になるほどの涙がまだ止まらない打楽器が地響きのように鳴り金管が出鱈目に木管が発作のように笛を吹く名前の知らない楽器らが好き勝手にやっている間君は一睡も出来ない 持病の具合…

さざなみ

湖から海の音がする柵の内側は悦楽の入り江切りっぱなしの大きな岩の上に寝てジュースになったアイスクリームを垂らし金平糖のような夕陽に目を細める浅い呼吸で肺は外気の冷たさに縮むいつまでも融け合えない 融けたい君だけが融かしてくれるでなければ涙を…

intel相容れぬ

早くしなけりゃせわしないプライムタイムは選べないよりどりみどりが苦手の罠 サプリでキメたキラめきが消えた大きな人との圧迫面談小さくなって寝た 日にちを数えてた足らなくて吐いた頭打ちで終わったやれることを探してた明日には忘れてた 心臓は毛が生え…