irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

オズの国

両性具有の股の間で
飛行船になる夢を見た
冬には雪が降り
夏には嵐が来るように
概念と固有の印象が一致する
そんな名前を未来につけた

毎日、嘘のように塗り替えて
あっという間だ
きっと子どもが大きくなれば
今よりもっと優しく珈琲を淹れるだろう
しっとりと重い夜のカーテンの隙間から
遠慮がちに顔をのぞかせて私の様子を聞くだろう

家じゅうに昔話が散ることに
片足でバランスを取りながら
薔薇の咲いた生命線を歩く
この先は3回転半でも間違いじゃないのだという
鏡のように反射している左手の中で
出会わなければ良かった星を 握りしめていたようだから