irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

歩く

雨上がりのぬかるんだ道に靴底があまく沈む池を眺むきみの小さな横顔 頬を染める輪郭のつかめないぬくもり前線はこれから少しずつ わたしたちの陰を溶かすだろう思うにその先が かみさまのくに かえろう足跡は確かに わたしがここに存在する理由を連れている

かわいい人

狂いなくわたしは進んでいたし通り過ぎたと思っていた ひとつの陰ひとつの焔 蘇って、忽然 明日の居場所を問う きみを見ていると また愛しそうになる砕けた電子の奥に霞んでいる輝きを ひらわないように気をつけて、わらって美観している きみはいつまでも …

悲劇と言うかい

親不孝者、と さも恐怖そうに言った この親不孝者、と ヒステリックな金切り声を浴びながら わたしはせっせと頭の中を埋めていく"言葉どろぼう!"と罵られている妄想にすり替えて まさか火曜日の惨状を錯覚として思い込む なんでどうしてと嗚咽とともに疑問を…

思うこと

長い経過のうちの ある状況だけを抜き出して それはそれは立派なお伽話ですと鼻で笑ってみせる わたしだって ある一部分の思い出を美化して、 長い経過のように見せているんだろう ネットの海で言い逃れして手を伸ばせば伸ばすほど素直さは遠ざかる欲張って…

墓場ゆき

それじゃだめだったんだ きみのこと それでもいいやって思えなかったんだどうして つなぎとめる言葉を毎日少しずつ落っことしていく いま、両手でひらっても指の隙間すら零れていくねきみは笑っていた くだらない冗談を言った わたしも笑っていた いつか墓場…

亡羊

"奇跡なんて、もう泣かないの、 泣かないの"童謡だったか あれは一昨日の夢のなかで流れていたのか昨日、無線から流れていたのか忘れてしまったな よく知っている声けれど母親よりも愛溢るる…壁に背を押し付けて俯いて土管とたたずむ夕暮れ誰を待ってた そう…