irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

そのあとに ひと編みの緊張がほどける じゃまをしないことを はじめに教えられた どこに転がっても おんなじの手紙で はじめから決まっている筆跡を なぞるような人だった多分まだ空想の未来で彼女は息をしている私にはさわれない世界の話だけれど文脈の一直…

強欲なおんな

だいたいこのちゃんぽんは 想像どおりの味がする だけどそれでいい今は想像どおりのものを食べたい食欲はとめどないが 強欲にはかなわない「あ」という文字を縦の棒から書き始めても結果があればそれでいい よだれを垂らして昨日 目を覚ました もう夢の中か…

君は一生成長しない

君は一生成長しない ということを おまえが言うな というような人が言う。 君は一生成長しない ということは一生 中学生のまま。セイラー服の、ミニスカートの。 君は一生成長しない とは言っても昨日の食事が骨になり明日のために勉強し今の怒りはつづかな…

すべての現象が意味を持ち始めた あらゆる戸棚を閉めただろうか整理整頓をして これを書き留めておかねば考えることをやめたら夜は明けていく あっという間に年をとり私はすきな誰かと結婚しているかもしれない矛盾を無視して生きていたら気が付かなかったこ…

憂鬱

喫煙席は奥だと言っていたがあまり守っている人はいない この土地柄は流石だ彼女らはあの席に座りたがる通りを歩く人々がよく見えるから スマートフォンは鏡として使うものだっけか?などと思いつつ うたた寝していたらもう彼女らの姿はなかった ああいつだ…

スーパー個体主義

何故別れ際に羊羹を選んだかというと もう二度と君に会うことのないように何故嫌味のひとつも言わなかったかというと特にかけたい言葉もなかった ひとに迷惑をかけない ひとの気持ちを考える君の言う「ひと」って全部、「自分」の事だろう?そういうのをDNA…

わや

電話はあと回しになる繋ぎ止めておくためのマスキングテープで黄色黄色になった表紙で読めない元の文字 生来のあり方を忘れて電話はわずらわしいタスク通帳をマックに置いてきてしまった50の母と同じミスをする まるで黄色い包囲網 取りこぼしたものが光るか…

スモーカー

喫煙所には三人の男が立っていたそのうち一人は肺気腫の患者だがあまりお互いに関心はないらしい ひそひそと話をしているがここではよく聞こえない恋人が何か囁く ずっと聞こえているのにすぐに忘れてしまう忘れるために聞いている一本のシガレットで肺を潰…

五月

足元もべたべたするし明日には霧が晴れるし まだ始まったばかりの言い訳 即物的にカロリー摂ってるから即物的に消費する すぐに怒り出すし わら人形よりたち悪い ひと息つこうって何ばい目かのカフェインで キリキリ舞いの夜姿 明日には霧が晴れるから もう…

若いことが羨ましいのは、 うどんの店に就活スーツで入ったり 信号みたいな色のパーカーを着れること君の素敵な要素は、 足かけ6年の恋人がいることとか 大学を一度辞めたこと目の前に猫背のミッキーマウスのフィギュア かと思ったらペンケースだった 私は雨…

funny situation

医者の話を半分も聞いていない祖父だが降圧薬の飲み方は完璧だ医者はネットスラングの用法についてとても懐疑的で処方箋は意図的に暗号めいている国会ではコトバの転用について揉めているが ルールは実に流動的で歴史は常にねじ曲げることができるit is funn…