irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

憂鬱

喫煙席は奥だと言っていたがあまり守っている人はいない
この土地柄は流石だ
彼女らはあの席に座りたがる
通りを歩く人々がよく見えるから

スマートフォンは鏡として使うものだっけか?
などと思いつつ
うたた寝していたらもう彼女らの姿はなかった

ああいつだって君の落としたものを拾ってきたなあ
繁華街は私の肌には合わなくて
いつも同じ角で道に迷う
私には遊び心が足りないって君は言う
だから君とは縁を切ったはずだろう
うるさいんだもの

彼女らが話していた宇宙の言葉
すきだった
遠い波の音を聞くようで

コーヒーを少し残したので
君がいたら咎めるだろうと思った
さようならも小宇宙のさざなみ
君のこときっとすぐに忘れてしまうだろう