憂鬱
喫煙席は奥だと言っていたがあまり守っている人はいない
この土地柄は流石だ
彼女らはあの席に座りたがる
通りを歩く人々がよく見えるから
スマートフォンは鏡として使うものだっけか?
などと思いつつ
うたた寝していたらもう彼女らの姿はなかった
ああいつだって君の落としたものを拾ってきたなあ
繁華街は私の肌には合わなくて
いつも同じ角で道に迷う
私には遊び心が足りないって君は言う
だから君とは縁を切ったはずだろう
うるさいんだもの
彼女らが話していた宇宙の言葉
すきだった
遠い波の音を聞くようで
コーヒーを少し残したので
君がいたら咎めるだろうと思った
さようならも小宇宙のさざなみ
君のこときっとすぐに忘れてしまうだろう