irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

貴婦人の慰み

昨日の日付で
まだ歌っている
昨日の歌声で
まだ轟いている
雀が鳴くような
鈴が鳴るような
高い音の果てに舵を切るだろう

待たずにいると 長い
昨日の日付のノートは捨ててしまった
突発的に寄せ上がる
高波の不安も砕かれる防波堤で
一日を過ごしていく努力で

ふくらはぎの痛みも忘れて
声を出せば
それはまた歌であった