irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

灰色した街角に
憂いがこぼれたら
きみは呼応しなくなる

銀をなくしたきみの
雨に打たれて踊る様を
せせら笑って眺めていた

飛び散るのはおそらく
銀が溶解したもので
けれどきみが踊るとき
いつも光がないので
それの反射して光る様子は
一度だって見たことがない
ぼくが小さな頭で想像しても
浮かび上がる煌めきは鈍い漆黒

口角をいびつに曲げたぼくの頬に
くずれた銀を投げ付けて
オニキスの瞳で
憂いがおわるまで
きみはいつまでも燃えている