2010-03-09 欠伸の庭 / 違えねえ 詩 2010 違えねえなあ、のしわがれ声は私をすとんと落ち着かせる まだ見えなかった先の話も近づけばらくになると言って私の頭を撫でた真っ赤なつぼみ大人になりたかった時代でも だまされているのは知っていた縁側の二人とつぼみ違えねえ、が聞こえると私は必ず口をつぐんだ いまや膨れて、あふれでそうな重い木箱に蓋をして違えねえなあ、の呟きは先にゆくほど霞んでく何度咲いても帰りはいつ、とも聞けないままに