思い出
ねえ 授業中
カンニングしてたでしょう 知ってた
壊れて間もないメトロノームと
壊れたままの古いチャイムと
あの頃 君の描く無重力に私は酔いしれていた
まだ君は かくれんぼしてるだろう
気づいて
上司も君に目つぶしをしたい
悦ばしいのはリストラ
晴ればれとした気持ちで
卒業式以来のセレモニーを開こう
あの頃 私は重力の中で いくつかの軌道を描いた
そのどれにも乗れた
書いては消す交換ノートの中で
君と放課後に作り上げた軽音楽の中で
私たちの未来は 猛烈な輝きを放った
著しく上昇していく株価と
飛行場のざわめきの中で
君が手を振る
幻なのかもしれない軌道に乗るのを見送る
こういうこともあるようだ
希望は常に逆説的に持っておいて
ちゃんと家まで帰れるように