irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

帰省

家に帰る私を想像してみる
しずかで寒い一人の家
腸のあたりが持っていかれるような
さみしさ

明日は
パンの焼ける匂いで起きることはないし
新聞をめくる音もしない
猫が私の頭の匂いを嗅ぎにくることもない

それでもそろそろ行かなくてはならない
だから正月の群像のなかで
七草がゆも食べずに家を出た

仕事が大好きだからなどと嘯いて