irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

わたしたちがエデンに行けない理由

たとえるならきみは花、
のかたちをしたとかげ

灰白色の石のうえ、
その瞳は黒い砂が舞う砂漠のようで
そうだな、ひくく垂れ籠めた曇天が似合う
だけど地上に墜ちた星が
沈黙のなかで未だくすぶっていると
知っているから卑怯だとおもう

いまも、
陽光とたわむれる
わたしを見つけては
その眼光で縛るのだ

とかげは吐き捨てる

 見下されるべきは
 きっと卵子のころからよ

言葉が互いの腹を刺すよう
わたしもひとつの怒りを投げる

 いつかかならず訪れる死後
 宇宙を漂う卵子には
 その忠告を伝えよう

 たとえるならわたしたち
この星の歴史のはじまりに
ほんの一滴垂れた黒点

鏡のようにひかれあい
鏡のように対峙した
わたしたちが背負う原罪