わたしたちがエデンに行けない理由
たとえるならきみは花、
のかたちをしたとかげ
灰白色の石のうえ、
その瞳は黒い砂が舞う砂漠のようで
そうだな、ひくく垂れ籠めた曇天が似合う
だけど地上に墜ちた星が
沈黙のなかで未だくすぶっていると
知っているから卑怯だとおもう
いまも、
陽光とたわむれる
わたしを見つけては
その眼光で縛るのだ
とかげは吐き捨てる
見下されるべきは
きっと卵子のころからよ
言葉が互いの腹を刺すよう
わたしもひとつの怒りを投げる
いつかかならず訪れる死後
宇宙を漂う卵子には
その忠告を伝えよう
たとえるならわたしたち
この星の歴史のはじまりに
ほんの一滴垂れた黒点
鏡のようにひかれあい
鏡のように対峙した
わたしたちが背負う原罪