2009-07-09 夜の高速 柔らかロード 詩 2009 バスがつれてく東のくにへ ぼくはこれでも人見知りのつもり浅瀬にかがんだ夜顔を束に集めて贈った日ぼくたちの青春は始まってもいなくて だから少し急ぎすぎたね もういいよと言うのに その先は唇を結んで弾けた実を恐れたりして いま通り過ぎた灯台が ぼくらの街を照らすかな声より速く祈りより確かに宵も変わらぬスピードで何度だって星を廻れよ運転手の背中を そっと押してみる居眠りしていたのか びくりと肩を震わせて ちょっとさむしいね、と だれもいないみたいに呟いた