2009-06-14 地中海 詩 2009 まくらな闇のなかで扉の閉まる音だけ聴こえる ここは冷夏の街であり ずるりと伝う背筋の凍えに思わず底を失くしてしまう昔誰かが教えてくれた「万事に耐えるときの姿勢」"目を瞑り息を止め水を抱く"何度 無意味を証明しても いまはただ祈るように時計の針と愛し合い穏やかに宿った光わたしから始まる新たな星をどうか未来へ、と いま深く突き刺した首筋から溢るあたたかな海この身はやがて岩漿の火を灯し またわたしも先の人となって遥か頭上にみえる命の耀きを待っている