irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

逆光

かつて大嫌いだったものに今は一番すがりたい
蔑み貶し続けたありのままの現実

窓は泥だらけで
外を眺めるにもどうしたらいい
いつか仲間とふざけあった
小さな悪戯がこびりついて
暖めても濡らしてもとれやしないの

夜になると
記憶たちが夢に毒を忍ばせて
わたしをころそうとする
だけどかならず目が醒めてしまって
さんざん幸せをぞんざいにしておきながら
生きているよろこびが胸にすとんと落ちてくる

言葉が静かに背中を向けても
その唇がどんな逃げ道をつくっても
追いかけてはいけない
手を伸ばしてはならない
きっとこの先もわたしを苦しめる
一本の道を歩かなくては