irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

グルー

きみの行く道を憎む
我ながら卑怯だと思う
辿り着く場所が同じでも
星が瞬く道だった

地平線が淡い虹色になる
夜明けの美しさと
きみの嘘が重なって
わたしは静かに嗚咽を洩らす
この殻のなか二人
抜け出せると信じていた

きれいな嘘なんて
なんの意味があるだろう
傷つけないための嘘は
なんて残酷なんだろう

殻に籠もるわたしを
見放してゆく
わたしを置いて
きみは羽ばたく