irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

無実の羊

自らの肉片を晒しても
まだ裸でないと言う
腐っていく肉体に困惑し
君は光へ手を伸ばした

さ迷っている
いくつの魂を
導いた気でいても

(君を救えない)

溢るる欲望を尻目に
君は街を這い、
荒野を駆け抜け、
海を前に立ち止まる

あの衛星を目指しても
この国すら出られない事実に
絶望しているのか

(あまりにつめたい光)

骨となり なお歩む
後ろ姿はもう遠く
君は嘲笑を浴びながら
ただ死に場所を求めて