irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

昔話 (申年の先輩と)

「汗水垂らして働いて裏切られました 今日も
信号が青だから渡れと言われました
何故

夜明け前に眠って一時間したら起きます
今日が夜勤なら電気を付けたまま寝ています
休憩室の冷蔵庫にビールを入れた犯人は
私じゃありません

誠実さを掲げては 互いに罵りあってばかり
それでもチームです
まだ花の値段で揉めている

夢みた未来のなかにいて
羊羹を贈って別れを告げました
みんなと同じように回れ右がしたかった
みんなと同じように回れ右がしたかった」


今晩、
家々のスイッチが順繰りに切れて
君も眠りについたら
だんだん年をとり始める
貝殻のさざ波にすすがれて
君はだんだん忘れていく

そして今にケタケタと笑いだす
干支がひとまわりするころには
夕食を作りながら同じ話をしている