irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

2017-04-01から1日間の記事一覧

なんて名前で

語ることがたくさんあるのでA5の罫線ノートじゃ足りないのだB2のわら半紙に殴り書きをして詩人たちは声を発した 消費社会に石を投げて繰り返す歴史に疑問符を打ち込んで四畳と半分の密度は高まる 3月11日の午後 詩人たちは声を発した語るべき語りは各々にあ…

1.奇怪な島に辿り着いてもう三日三晩眠りの中にいた黒い果実と死んだ魚暗雲からたちこめる硫黄の匂いに噎せた 起きて何も特別なことなどなかったいつも通りに回転していると思ったしみんなそれぞれに回転していたからあたかも止まっているように見えた 2. …

四半世紀の春

君よ、で始まる誓約を当てにしてはだめだとそれで得られるものでは暮らしていけないとわたしは繰り返し言った母の残像を追ってイヴ・サンローランの口紅を買うそれは母がかつて娘だったころのあたたかく穏やかな何か大きな期待に胸をふくらまし輝いている母…