irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

名ばかり

疑わない 夜
きみの首の
赤いみちすじ

ここまで書いたのは
覚えている
言葉足らずの表現に酔っていることへの
嫌悪感に襲われ
続きを書けなくなった

窓の向こうの誰か
降り積もる雪に閉ざされた
わたしとあなたが
同じ絶望を感じている

そんなイメージを描きながら
わたしは紙飛行機をつくり
知らない誰かに届くようにと
夜の海へそっと投げた