irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

癇癪持ち

いったいぜんたい
奪うものもなくなった
退屈顔のふたりは
湿気でうねる髪を持て余す

息ぐるしい 夜
わたしたちはおそらく
これ以上歪ませていくしか
手段のないようだ

 蛇口ひねったって
 子どもできないじゃん

きみの命きみ自身否定する
人間交際の
ひずみから汲み上げた
闇をためた燃えるひとみで

窮屈な丸い部屋のなか
押し込められた 若いふたりは
苛々と床を蹴り鳴らし
また次の客がくる
そのときがさいごだと決めている