臆病者に
誓いはいらない
酸性雨に蕩けてく
案内役紳士の冷笑
シルクハットには
オウムの羽根飾りつけてても
ネクタイには
小さなライオンの眼が、ぎろり、か
一歩踏み込めば
三日前の水溜まりが
ひちゃひちゃと何かいざなう裏通り
びい玉の眼をした子どもは
手を伸ばして空を切る
母親は二階で不倫して
儲け話に浮かれてる
どっち向いても
真っ暗闇 雨降りの夢魔
こうもり傘じゃあ
世界を突けない
わたし
漂泊された ま白の手袋と
原色の風船は
おいでおいでをするみたい
臆病者は 迷いを口に出せないで
その手に引かれていくだけ