irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

わたしには降水確率を確かめる習慣がない

生温い風と
むらさきの唇
先週から降り続く雨の
うす気味悪さにふるえている

(手のひらの血豆がつぶれた)

欲のない日々に
少しずつころされている気がする
単語の積木はつまらない
一人あそびはつづかない

雨が降っている
場所はどこも
なにがなに色をしているか
うまく言い当てられなくなった

傘を忘れたわたしは
虚像の街に立ち尽くし
それでも降水確率を確かめないだろうな、と
つぶれた血豆を拭いながら
ぼんやり思った