2011-08-05 環状線 詩 2011 やさしさが乗り込んだら すぐにわかる背後で そっと首に手を添えている わらい声は ポリエチレンの膜となって わたしの口、そしてつま先まで覆う定時帰りの悪童の横柄なふるまいさえ少しうらやましい定時帰りのわたしは茹だるような電車のなか浅い呼吸をして けして牙をむかない浮いた台詞の扱いかたを体に叩き込んでいる ひと並に やさしさが纏えるまで この環状から 降りられるまで