irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

恋人たちは醜い

深夜3時の格闘劇
たいていは男女の揉め事
ひととしてのセツドを
恋人たちは 忘れて
たがいにののしりあっている
勢いづいた口調は
もはや酒やけの喉だといって
ゆるされる範疇ではないだろう

わかっている
わかっていない
わかった
わかって

叫び声ひびく
オレンジの氷片
地上12階にまで届く
強いかおりがただよい
壁ぎわの小さな兵士が
眉間にしわ寄せ咳をする

醜い
みににくない
恋人たちは 醜い、
未来を示唆して
わたしはいまや街中の喧騒に
いっさいの希望も感じていない