2011-10-10 ■ 詩 2011 この家には小さな死に神が住んでいるすれ違うときもあるがたいていは速やかに穏やかにはしっこに消える世の中のしくみにぞっとするわたしたちはみんな溺れる豚のようときどき氷点下の風が吹き抜けていくのに耐えてはかない真珠のみこんでごまかしごまかし生きたりみえないことに酔ってうかれて架空の庭で少年に追われてりっぱに果てた気分になったりじつはどちらもたいして変わらない死に神はいつも死に際だけをみている