irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

時間

いつも明け方過ぎに抱き合う
つめたい唇の温度にふるえて
やわらかな肌と鼓動に委ねる

電子音聞こえてもやめないで
母親の目は扉の向こう側

ふたりしか居ない

一日いちにちを奪い合うように、
時間を食い潰すように、
居る

不安が滴り落ちても
ここにあるものがすべて

言葉は補ってはくれない
時間だけがふたりを積みあげる
底のない冷えた空気と
線の細いまばゆい光
一瞬一瞬を重ねて
永遠のような 錯覚を起こして