irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

夜のとばり


水面に投げた石、
月に当たって跳ね返る。
氷の言葉は切り口鋭く、ふかく突き刺す。

水面は透き通った空気
少々の揺らぎもよく響く。
書き留めることも忘れているような、
とりとめのない会話を底に蓄積させている。

君は手のひらの上で泣く子供。
小さな子供。

現実がすべてを焦がす熱を持っていても
きみが飛び込めなければ意味がない。
そこで愛するママを待ってても
わたしは尊いママにはなれない。

夜になったら君は
煙草を吸いに出てってしまう。
君を愛する私になるには
おそらくうんと時間が掛かる。