irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

ゆける

めまい、
十二階建てのビル
夥しい数のお喋り
嘲笑
怒号

雑踏は現実
誰かのせいで誰かが躓き
そして誰も謝ったりしない
幾千幾百の手のひらが踊り
誰もわたしを救いはしない

それのどこが悲しい
馴れ合いもいち手段だし
わたしも誰かにもたれる気は無い

まぶたのうら、
わたしは知っている
ちりちりと、あかく燃える暖炉のような
ただ静かで、心穏やかな時間も

ひらいて、
現実は壁
けれどゆける
わたしのそばから羽ばたいたものは
今必要ではなくなったもの
命をたえず燃やしつづけて
わたしはゆける
動けるからゆく