irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

予感

頭の回転はねずみ色でも
迎えるままじゃ困るって
腹の中は交感神経優位に緊張してはいるが
不思議と耳は聞こえるもので
流れてくる何千の情報は捌いていた

紅白色に爪を塗り立てて 祝う心は十分ある
年を越すってそれだけが奇跡のように
嬉しくて喉に詰まらすなよ
何か大きな力に呑まれていくのを
何もしないでも下っていく下り坂で感じていた

あどけない心で片道切符
安全を捨てて もう戻ってこられなくても
記憶がじかに足もとを温める

ゆきすぎた心で過ちもある
吐き出した言葉から聞こえる声もある
いま何時何分かよりも
私を鷲掴みした引力がたった今から始まっていたこと
胸を張って言ってしまえる