同胞
赤いお皿のうえに流れた
血を知らないきみは
今もわたしが産み落とす
一つの罪悪に似ている
きみ自身なんの罪もなくとも
彼らの一存で
きみはきみとして機能しない
ならば認めない存在として
罪だと名付けられるの
だろう
(思えばわたしはきみのことを一つも知らない
ので 想像してみる
瞳の色はアイスブルーだ
と思った
直感だったが
テレパシィなのか
直感を纏った創造かは
わからない)
きみも
娩出された わたしの子どもも
同じ宇宙を漂い
いつの日か潮騒になって
星へ還る日を待っている
この銀河の生理とも言うべきいとなみで
わたしの連ねる言葉や
きみの存在そのものが
どれだけ罪悪に満ち
意味を問うものであっても
世界の根底をつくる元素のそれぞれは
きっと私たちを否定しない
尊い母体のもと
かつて受けた
やわらかな眼差しのように
わたしをきみへ駆り立てつづける
際限のない 衝動