irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

同胞

赤いお皿のうえに流れた
血を知らないきみは
今もわたしが産み落とす
一つの罪悪に似ている

きみ自身なんの罪もなくとも
彼らの一存で
きみはきみとして機能しない
ならば認めない存在として
罪だと名付けられるの
だろう

(思えばわたしはきみのことを一つも知らない
ので 想像してみる
瞳の色はアイスブルーだ
と思った
直感だったが
テレパシィなのか
直感を纏った創造かは
わからない)

きみも
娩出された わたしの子どもも
同じ宇宙を漂い
いつの日か潮騒になって
星へ還る日を待っている
この銀河の生理とも言うべきいとなみで

わたしの連ねる言葉や
きみの存在そのものが
どれだけ罪悪に満ち
意味を問うものであっても
世界の根底をつくる元素のそれぞれは
きっと私たちを否定しない

尊い母体のもと
かつて受けた
やわらかな眼差しのように

わたしをきみへ駆り立てつづける
際限のない 衝動