スケッチブックには
飛行機雲を書いた
きみの地図は流された
しけた討論
正義の定義はいたちごっこする
絶え間無く白波立つのを見ている
なまがわきの唇
間延びした声
細いのどから風に乗る
奇妙な歌は滑稽こそすれ今はいとしい
(
きみは砂上の城にひれ伏した
鎮座する張りぼての王
権力の前に黙す兵隊の
整然たる並びに埋もれている
継ぐべきことばを失くしたわたしが
きみの心臓を探し求めても
一瞥したきみは
既に石のよに眼冷やかに
)
きみの持論なら、
歴史をつくるのに
一粒の砂だって欠けちゃいけなかった筈
こんな砂埃一つない国で
わたし一人ぽつねん
ゆくあてなく舞う砂になって
生きていける気なんて