irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

聖夜


肩の革張りの重みを
まもろうとするごとく
かたくなに腕をこばんだ
口下手を夜ごとに恥じて
鼻へ抜けていくアルコールの香り
誤魔化しがきかないんだろう
底から噴き出してくる欲望を
運動機能が落ちたふるえる右手の先で
する する する とペンのうねり
一秒ごとに展開していくユートピアの上澄み
肩の重みをまもろうとするごとく
かたくなに腕をこばんだ