2019-02-03 明け方の夢 私たちは抱かれるときいつも体温があるという前提に立っているたゆたう木の枝を幽霊と思って明け方の夢の中でまどろむ 疑えないまま口先だけで語っても宙に浮いた自分を見つけるだけだ冷えた空気でも目が醒めないで肺の中は生ぬるくて夢だとわかる 過ぎ去っていく誰かの影わずかだけ交差していた誰かの影煮凝りのような愛情の海子どもが母の背中を掴んで震えている 朝になるまでの幻想のなかでもうここにないものを追いかけないと誓う詩になるための言葉だけ胸の隅にひたひたと満ちていく