irohato

a_yによる詩や短歌 https://utubuse.wixsite.com/ayweb

もしも毎日がクリスマスだったら

抽象的な世界平和のプランを
君はすてきだと笑った
彼のボーナスは36万で
私は38万で 見せあって笑っている
こんな金額では世界を変えれないが
心が穏やかな時間のほうが大切だと思う

抽象的な言葉をたまにこぼして
だから話は平行線
クリスマスの代わりの約束を
それ自体贈り物のように思って 想像しては
想像だけで 顔を覆ってしまう

仕事上必要とされる壁は
よくイメージして
嫌味っぽい口調も お決まりのきつい台詞も
その時の胃が縮む思いも 小一時間呑み込んで
耐えてきたんだろう

なのに今 クリスマスには
東京に雪が降れば良いと思うよ
それ自体はロマンチックで良いけれど
だってこの先も土曜、日曜、その次の土曜も
約束を取り付けたいので
イメージは現実味を持たない

母親はビョーキで寝ているね 三年目の鬱で
それでも父は料理を作り ベランダ菜園を楽しむ
中の上の家庭に育った
この上ない幸せのこの上を 私は作っていけるのかしら

不安を絵でころしていく
言葉で埋めていく
人生イージーモードで 私 大丈夫
得なかったものを沢山持っている

きみがクリスマスの東京で 寒い思いをしませんように
抽象的な言葉で
きみと 話は平行線